March 10, 2003

blog革命の最後のピース?

時系列に沿っているのかどうかわかりませんが
とりあえず前回のentry以降postされていた記事をクリップ。
network styly *: blog=tool?
StrangeIntimacy :blog が革命だとまで言うのはどうなのか
ARTIFACT −人工事実− | blog革命って結局何?
HARDCORE ERA: Blogだと思ったことは実は一度も...
void GraphicWizardsLair( void ); //:テキストサイトでもええんちゃう?
Music Liberation Front: Why Movable Type?


それと併せて自分のこれまでのblog言及記事を読んでみた。
blogについてばっかり話しているのは
そもそもそのためにblog(なるもの)をはじめてみたのでいいのだが
自分の考え方や希望的観測がぶれていないのかどうかが気になった。
読み返してみた結果、そんなにぶれてないなぁとは思ったが
「blog」という単語の使い方について、それが指す物は
そこそこぶれていたなと思う。


■ツールとしてのblog。
個人的に「Movable Typeを使うということはblogを始めるということ。」
を所与の前提としてはじめているのだが、一応blogツールとblogや
Movable Typeについては表現を分けるように気をつかっていたつもりではある。
ツールとしてのblogを考えた場合に問題なのは
例えばtDIaryはblogツールじゃないのかということだ。
機能面では大差ないというかほとんど同じだと思う。
BLOGGER等に比べれば機能的にもずっと上だろう。
さるさる日記やヤプースよりもサイト横断的な機能もあるし
コメント機能もついている。
Diaryというラベリングがあるにせよそれまでのweb日記を超えそうな予感は
十分にあったと言える。
blogツールは日本に既にあったといえる。
#ただBLOGGERのユーザ数を考えるとそこまでは到達していない。


■サイトの内容を表す意味でのblog。
「興味のあるURLをクリップすることで構成され、更新頻度が高い。」
「内容的には日記と大差ないものもある。」
というところで問題無いと思うし、そういう認識でいたつもり。
ここで欠けていたのは、
「じゃぁなんで俺ニュースやその周辺のニュースサイト群はblogじゃないのか」
という問いについての答えだ。
サイト単体(そのコンテンツ)を差して言うblogであれば
それはやはり既にあった。
ある個人ニュースサイトがクリップしたネタがいろんな個人ニュースサイトを巡り
広がっていく。この動きってblog的な動きに他ならないと思う。
システムもあったし、blog的コンテンツのサイト群もあった。

 


アメリカでのblogを考えると、足りないのはブームというかムーブメントだ。
なんでアメリカではあんなに流行してもてはやされてhotwiredをはじめとする
媒体が持ち上げ、meshが踊ったのかと。
システムもあったし、サイトもあった。blog的な動きもあった。
足りないピースは何か。
一時情報を持つジャーナリスト、有名人、芸能人のblog。
やはりこれにつきるのだろうか。
自分でも"blog的"とp2pなイメージ
で「一次情報を発信できる人が重要ってことになりそうだ。」と書いていた。
「blogはおバカさんのためのツールなの?」という話もあったように
いくらツールを手に入れて個人がエンパワメントされたとしても
ただのド素人の日記では結局その「コンテンツが面白いのかどうか。」でしか
評価されない。一次情報であればそれだけで価値の上積みがあるし
昨日食べた晩飯の話題であってもそれが宇多田ヒカルの話であれば
ある種の層にとってそれなりの価値を持つ。
結局参加しているのがド素人ばっかりでは「面白い内容あるの?」
ということになってしまうのは仕方のないことではある。

有名人がいればいい。有名人がいなくちゃいけない。
ではあんまりにも面白くなさすぎるし
それとは全く無関係に今自分がやってて面白いのはなんでだ
ということを考えてきてはいたのだが
blog革命を成就させる最後のピースはやはり有名人なんだろうな
というところでなんとなく落ち着いた。

そもそも民主主義がどうこうとかいうことには全然興味がなかったので
それで落胆するようなことではないのだけれども
革命とまでは思ってないというところで。


おとなしく米国産blogツールのもたらす可能性のある
面白そうなコミュニティの形について考えるとするか。
あと「なぜアメリカと日本でblogにまつわる状況が違うのか」
を考えてみるのは面白そうだ。

Posted by kengochi at March 10, 2003 08:18 PM
Comments (4)

そうですね、結局、なにか導入すべきあたらしいものがあるとすればムーブメント的なものなんですよね。そこをまったく新しいもののように語ったことが反発を買った。そういうふうに思います。ただ、逆にいえばムーブメント的なものが問題であるならば、具体的に、すでにあるものが、あたらしい層にひろまり、よりジャーナリズム的につかわれれば、なにがどうかわるのか、その点に焦点を絞って説得力のある議論があるべきだと思います。それが、CMSツールのほうにどちらかというと傾斜したプロモーションだと、いまひとつ理解できない。
 ところで、この件についてかたるひとが宇多田ヒカルに言及する人が不思議と多いのですが、彼女は日記を公開していて、かなり頻繁に更新されている、という事実を考えたとき、それがblogツールを使った更新に変わると問題がどう変化するか、あるいは更新内容が問題なのか。そういう具体論もできると思います。糸井重里の更新も日記といえるでしょうし、では問題は双方向性なのでしょうか。じっさい有名人の日記なんかは専門のはてなアンテナがあったりします。
 否定的な反応をしたいわけではなく、ビジョンの具体的な中身が知りたいと思うわけです。

Posted by: jouno on March 10, 2003 09:44 PM

とりあえずちょっとだけ反応ですが
宇多田ヒカルのやっていることはblogだと言っても
かまわないんじゃないかって思います。
彼女の日記をクリップするサイトはよくあるわけですし
当の本人の日記で「受け」があるかどうか。
双方向性が必須条件なのか。
については今のところではよくわからないです。

Posted by: kengochi on March 10, 2003 10:47 PM

Blogの定義を模索していくのは大事だと思いますが、今の時点で「これはBlogであれはBlogではない」と考えるのもどうかと思います。いわゆる『先進国』であるアメリカでさえ、最近になって大きな企業が注目しはじめてきたわけですし、当のアメリカでも未だにBlogの定義を探し求めている状態だと思います。

アメリカでさえ今のようにBlogがもてはやされるまで4年くらい経っていますよね。それまでは試行錯誤の中にいたと思います(今もそうだと思いますが)。日本でもいずれ形になってくるのだと思います。ただそれがアメリカと同じ形状として成り立つかどうかは分かりません。文化が違いますから、日本独自のBlogの定義のようなものが生まれてくるのでしょうね。

確かに日本のBlogコミュニティーに関して言えば「Movable Typeを使うということはblogを始めるということ。」という雰囲気が全体的にただよっているような気がします(アメリカでもそう言えるかもしれませんが)。僕としてはツールとしてBlogを定義するのではなく一種のムーブメントとしてみたいので、あえてMovable Typeは使わないで自分でプログラムしてみました。とは言ってもBlogの定義がはっきりしていないのにそれを単にムーブメントと考えるのも疑問に感じてしまいますがね。

さてさてどうなるやら。
この動きの中に浸りながらかつ客観的にも状況を見つめていきたいです。

Posted by: ヤスヒサ on March 14, 2003 06:47 AM

> 今の時点で「これはBlogであれはBlogではない」と考えるのもどうかと思います。

これはその通りだと思います。
この一連の記事で考えてたことは
「アメリカで革命とまでいわれたBlogってなんなんだろう」
っていうことなんです。
日本でも同じ"ような"ものがあったとはいっても
どうして日本では「革命」とならなかったのか、
あるいはこれからそこまで到達するのか、
到達したとしてそれは自分にとって面白いのか。
というところを考えるにあたって
自分が知っている部分、経験した事柄をpostしておく
これが目的のひとつでした。

ムーブメントとしてblogを見たいというのは
私も同じ感覚です。
はてなやtDiaryも非常に優れたツールですし
当初にあった嫌な感じを超えた部分で
面白いことにならないかなぁと思ってるところです。

b2も含めて他にいくつかのツールを試してみたのですが
MovableTypeについては有志の日本語化が優れていたことと
perlが動けばいいという部分で若干敷居が低いですね。
テンプレートも含めた管理ツールが非常に充実しているので
私が試したほかのツールよりは使いやすくパワフルです。
単純にツールとして優れてると思います。
よくデザインされてるってことですね。
#内部的・技術的な優劣については別とします。

ヤスヒサさんのサイトも見せていただいてたんですが
自作のツールだったとは。

Posted by: kengochi on March 14, 2003 03:27 PM
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