March 27, 2003

今回の戦争について。

今回の戦争に関して僕が最も危惧しているのは
最終的に国連を無視してほぼ単独行動に出たアメリカの今後だ。
いや、アメリカを含む世界の今後という言うべきか。
アメリカのイラク開戦について最後まで徹底的に反対していたフランスが
純粋に「戦争反対」なんてことでアメリカに対抗していたことでないことを
理解できるぐらいには大人になっているが、
それでもやはりフランスが反対を唱えていたのは意味のあることだった。
国連はこれまでも機能してこなかったじゃないかという意見もある。
実際冷戦時代にはソ連が拒否権を行使することで
安保理が有名無実化していた。しかしソ連が崩壊、冷戦が終結し
国際協調の時代へ向かうのかと思われた昨今
やはり軍事力のある大国を止めることはできないという現実に
否応なく引き戻される結果となった。
いかなる経緯をもってしてもイラクを攻撃したかったアメリカ。
フランスを先頭とする反対勢力を無視する形で戦争に突入せざるを
得なかったこの状況が、アメリカの異常さを映し出している。
アフガン、イラク。アメリカは次にどこへ行くのか。
対テロ戦争という視点で考えた場合、第三幕はきっとあるだろう。
その時世界はアメリカをやはり止められないのだろうか。
今回の戦争をナショナリズムから後押ししているように見える
アメリカ国内の動き。反対運動もあるようだが、
果たして実際のところはどういう状況なんだろうか。
イラク戦争が終結したとして、
というかこんなに圧倒的な軍事力の差があって
アメリカが勝つのは当たり前の話だ。
どういう形でいつ頃に勝つのか、ということでしかない。
軍の中枢にいるような人間であれば、
バクダッドに空襲してしまいたいぐらいの勢いなのかもしれない。
市民の被害は最小限に、なんていう詭弁は詭弁として早々にうちすてるべきだ。
アホなことを言うなと。
捕虜の扱いについて文句をつける戦争ってなんか変だ。異常だ。
捕虜の映像が流れてあたふたするぐらいなら戦争に賛成するなよ。
いつものようにこれが戦争だとは言えないのか。
それと。劣化ウラン弾を使うな。
何が安全だ。


書いてるうちに腹が立ってきてしまった。


 
民主化の為の戦争。独裁政権打倒の為の戦争。対テロ戦争。
何を並べても、今報道されているイラク市民の犠牲を正当化できない。
それだけは本当に正当化できないと思う。
テロで親・兄弟を亡くした人の気持ちと、現在家族を亡くそうとしている
イラクの人達の気持ちのどこに差があるというんだろうか。
僕は殺されるのは嫌だし、人が殺されるところを見るのも嫌だ。
個人としてはそういう単純な理由で戦争に反対する。
戦争をしなくてすむ方法があるなら、どこまでもその方法を追求すべきだ。
アメリカは今回それを怠った。
本当に戦争を始めなければならない切実な理由・大義がない。
大義があれば戦争をしてもいいのかという問いについては
仕方ないこともあるかもしれない、と現実的には思う。
賛成はしないが理解はできる。感情と論理の乖離があるけど。
仮にイラクがまたクウェートに侵攻して、イラク軍がクウェート市民を
虐殺し始めるようなことがあったとすれば、それを止めるにはおそらく
軍事力を使う必要があるだろう。
相手が攻めてきた場合には軍事力で対抗せざるを得ない。
そういう意味で自衛隊は重要だ。


イラクの民間人犠牲者の報道を見るにつけ早く終結して欲しいと思うが
このままあっさりとアメリカが勝利してしまうこともまた同時に怖い。
その後が想像できないから。

Posted by kengochi at March 27, 2003 11:28 PM
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