September 09, 2003

TrackBackの無名性
はてなダイアリー - 幻燈稗史/magic-lantern romance


上記サイト他多数。


いくつか視点として整理する必要があると思ったので整理。
TrackBack(以下TB)の送受信については登場人物として


1)TBを受信したサイトの管理者
2)TBを送信した記事の作者(送信主体とは一体かもしれないし独立かもしれない)
3)TBを送信した人
4)TB受信サイトの閲覧者


の四者に分けることができると思います。
通常は2)と3)は同一だろうというのがまず話の前提です。
これに対して
「おいおい、仕様では誰でも送れるんだから
 2)と3)を同一視するのがそもそも間違いじゃないのか」
という意見がありますが
現状MovableType(以下MT)とTB対応ツールの使用者を見ている限りでは
2)と3)を同一視するのはその中で一般的だと言っておかしくないと思います。

ムーバブルタイプにログインして著者が通知する機能としてはじまり、ほかのツールのユーザーもその後も大半のユーザーは毎日の使用においてそういう使用しかしないという事実から、著者が意識的に送ってくるものという認識が自然に形成されるだろう、ということが推測されるのと、経験的な感覚としてそういうふうにみんな認識しているように見えた、ということと、 トラックバック に関する言説を見ていくと、やはり著者が送るものという前提に立ってみな発言していたようだった、ということが理由
に同意します。


以前からおいかけてきたTB関連の議論の中に
MTのユーザがあまり登場してきてはいません。
それはただ単にツールとして与えられた使い方をしていて
その仕様がどうであるかといったところには興味を持っていないことの現れ
ではないだろうかと思っています。
だからなおさら「TBの仕様」本来ではなく、現状の実装状況を元に
考えたほうが間違いが少ないでしょう。
つまり通常は
「2)→1)という流れでTBが送られている。2)=3)である。
   受信した側はTBデータの向こうに2)の人物を想定する。」
という形であるということです。
その証左として「TBありがとうございました」と言うやりとりがある
といったことはどこかでも例としてあげられていましたね。

 
で、上の3者の次の第四の登場人物としてサイトの閲覧者があげられます。
閲覧者にとっては誰が送ったかはあまり大きな意味はないと考えられます。
#もしかすると「TBを送りあう仲」という概念があったとして
   AとBは頻繁にTBを送信しあっているから仲がいいのだな
   とか考えることがある、かもしれない。が、一応それは排除しておきます。
情報としてはAとBのサイトが似通ったテーマを取り上げている
ということがわかれば閲覧者にとっては有益であると考えられるので
関連リンク集的に使うことができれば閲覧者にとってメリットがあります。
TBの送信者を2)に限定するのではなく、4)にも解放する形です。


jounoさんが問題として提起しているのは主に1)と2)の人物にとってであり
TBを受けたらそれをすなわち1)と2)の関係であるととらえる現状にあって
2)と独立した3)が出現することによって、
ある種の考え方を追加しなくてはいけないということだと思います。
「TBを送ったのは2)かもしれないしそうではなく4)かもしれない。」


今回のARTIFACTの件の場合1)と3)が同一だったため2)にあたる記事作者の
「自分が送ったと思われる」かもしれないという考えは杞憂であったわけで
ARTIFACTでの使われ方を考えると「勝手に送られることもある。」
「wikiの反応リンク集みたいなものなのだ。」と考えれば
どうってことは無い話に落ち着くのだろうと思います。
ただ、そういう使われ方をするかもしれないTBについては
そういう事前了解があったほうがよいでしょうね。
ARTIFACTさんの場合に限って言えばARTIFACTのサイト内に書いておけば
とりあえずは事足りることなのでしょう。
送信フォームがあるのだからそれは自明だというのは
まだ現状ではちょっと不親切かもしれないと思います。
日常的にTBを使うユーザはそう考えないのではないでしょうか。
「あれは、TB機能のないサイト用のTB送信代替機能だ。」
ととらえることも十分あると思います。
そしてその際その機能を使用するのは2)の記事作者が想定される。
#僕は当初そう思っていました。
   詐称が可能なことは認識していたので
   自分のサイトには実装しなかったという経緯もあります。
とはいえ、現状においてもTBに関わるユーザは全て
「TBは誰でも送ることは可能な仕様」であるということを
認識しておいたほうが間違いがないのは確かですね。


こうなるとTBに送信者情報が必要なのかどうなのか。
というところに議論が進むような気がします。
記名のコメントと無記名のコメントの違いのようなものなのかもしれません。
#現状のTBは仕様的には無記名でありながら記名であるかのように認識されていて
   それはTB送信ツールの日常的な使用法からきていることは上で述べた通り。
ものすごく単純な話ですがTBの要素として「名前」を追加してみる
というのはどうでしょうか。
ま、それでも当然詐称はできるわけで、それも許さん!てことにするよりは
詐称もあるだろうな程度で考えておいたほうがいいかもしれません。
ここは本人確認を厳密にするかどうかというポリシーの違いになりますね。
厳密にするとたぶんかなり大変だと思います。


TBとは誰でもが送るものなのだ、それが便利なのだという線で進んでいくなら
TrackBackなんていう名前ではなく「自動逆リンク機能」とかにしたほうがよさそう。
あるいはTrackBack互換の自動逆リンクってのもそれはそれでいいような。

##9/11 13:18 一部誤字脱字修正

Posted by kengochi at September 9, 2003 05:17 PM
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Tracked: September 16, 2003 03:33 PM
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